仲間はソワソワ
ダイチは大きく曲がったクチバシ
危険で恐ろしい鳥
ダイチも気配を感じ、じっと見つめます
ソラは軽いステップ
右へ左へ
ダイチのことなど知らないフリで
どんどん、どんどん近づきます
「あー、危ない」
仲間の誰もが思います
皆が閉じた目を開くと
ダイチのグレーの大きな背中に
茶色い小さなソラ
当たり前のように、すっかりおさまっています
呑気に毛繕いするソラ
驚きのあまり動けないダイチ
やっとのことで羽を広げますが、
ソラは真上に飛んで避けると、またダイチの背中へ
何度追い払おうと、ソラはすぐに戻ってきます
あれだけお喋りだったダイチ
その日から前を向いて静かに毛繕い
ダイチの声が無くなった分だけ
錦花鳥たちの声が大きくなって
自由で、誰からも可愛がられていたソラは
仲間達から少しずつ相手にされなくなって
ソラはますますダイチの背中に
ダイチの背中で、寝ては毛繕い