月のバロ

2017年05月25日 22:00


部屋を飛び回る

自由な錦花鳥


ヨウムのバロだって

自由に飛びたい


すぐに人の手の平潜り込む

甘え上手な錦花鳥


ヨウムのバロだって

甘えていたい


小さな水入れで大きな羽ばたき

気持ち良く水浴び錦花鳥


ヨウムのバロだって

好きな時に水浴びしたい


でも、ヨウムが羽ばたけるほど

部屋は大きくない


バサバサ

自由の大風は瞬く間

誰もを震わせる大飛行は

驚く前に足は地に


甘えたいと呼ぶ声は

囀りではなく、叫びに


ヨウムが入れる桶も場所もない


どうしてこうも違うのだろう

じっと見つめ返す目は

少し飛び出た真ん丸で

白い夜の黒い真ん丸お月


太陽の陰で

じっと見守る

皆のようにはなれなくとも

星たちと一緒ならご機嫌

雲に隠れる一人の夜は、天に届けと鳴き続ける


ままならない世だけれど

誰よりも長く生きるであろうヨウムのバロ

たとえ太陽の光が弱くとも

いつも抱いてはやれないけど

この先ずっと

小さな星たちを見守っておくれ