春の陽気か
歳のせいか
生後五か月
錦花鳥のクー
飛び回り
駆けまわり
もう鳥籠は寝るだけの場所
見る物全てが遊び道具
紙もつま楊枝も噛み続ける
急須も湯呑も湯冷ましも
入るためだけの物
誰かを失っても
誰かが補ってくれる
流れる水のように
隙間は無言で埋められていく
あれだけ愛らしかったCho-ちゃんの影も
少しずつ薄らいで
隙間をHaruが埋める
クーが埋める
能天気なヨウムのValoが埋める
和らいでいくことを
誰が許してくれるのか
誰が望んでくれるのか
許しも請わず
望まないでいて
図々しい程の
生命力を目の当たりにして
図々しくも思い出す
もう二度と出会えないはずの出会いを終えてもなお
まだ埋めてくれるものを期待している
図々しい己
図々しき人生
つま楊枝を咥えたクー
「関わりのねえこって」
と言っている
あっし,紋次郎