未だ抱卵するかのように
未だ
そこに卵があるかのように
卵を捨てられた怒りを
ポン君にぶつけていたはずのharuは
何事もなかったかのように
じっと空を見上げます
「ハル」
と呼んでも
「フィー」
と返事はしても
姿勢を直して
また抱卵姿勢
失ったことを認めたくないのか
認められないでいるのか
そこに陣取ることと幸せとが
重なってしまって
習慣を超え
快楽になっているのか
haruはきっと
もう前しか見ていなくて
失ったなら、取り戻す
単純な理屈で
命をも縮めかねない
生き甲斐のため
子のため
自身の宿命のため
あまりに単純な生
もう恨みも怖さもない
人に育てられる手のりの鳥
人に傷付けられても
人を信じる
二つの大きな宿命を背負った
小さな小さな
白い塊りのharuは
久しぶりに外へ飛び出すと
有り余る力の全てで
空を駆け巡ります
小さな巨鳥=ハル