彼女を失う日

2016年02月06日 22:03

会社を辞めた日の夜

淡い色の錦花鳥のFukiは亡くなりました

安堵の夢は

悪夢の息

いつだって自由で気ままで

人や棲家を行き来して

時折囁く甘い鳴き声が、あっけなく気高さを崩す

この世で一番小さな存在

思わず抱き締めた

失うことに何度もうちのめされてきた

でも、

もう二度と聞くことのない

彼女の鳴き声、飛び姿

寄せて来る柔らかなお腹も

すっかり硬くなった痩身が重く

戸惑い

受け止められず

溢れる涙は

何のために流れるのか

訳を知りたくとも、どうでもよくて

うねる現実

いつまでも眼前の姿を信じられなくて

そこにあったはずの希望を見失って

まるで小さな自分の姿に

何度失望しようとも

ただ項垂れるだけ

あまりにも長い時間

やっと解放された自由と引き換えに

大切なものを失う

その夜

彼女は濃い色の土の中へと消えて行った