「分身の術」
遊びでharuを追い掛け
まさに捕える時
突然、haruの白い体が
床に散る
白い羽がフワフワ
煙のように浮かんで
抜け殻になってしまったharu
「ピーピーピーピー」
やかましい鳴き声
すっかり聞き慣れた音
生の証か耳鳴りか
一つ先を
何事もなく飛び跳ねる
安堵は、たちまち愛くるしさで埋め尽くされるも
ふと見れば、どこか丸く
haruではない
舞った白い煙は
haruの尾羽
尾を失った間抜けな格好を前に
ポン君と吹き出す
きっと身代わりに捨てた羽
必死の捨身の
最後の隠し技を
惜しみなく使ってみせたharu
脅えるでもなく
得意気でもなく
ただ、そこに居ます
それだけに
脅かした罪を感じつつも
すっかり短くなった白い饅頭が
いつまでも笑いを誘うのです
饅頭,尾羽