今日もharuの抱卵は
続いています
でも、ついに
haruの居ない隙
一羽での抱卵
haruの心労を思い
ポン君は卵を取り上げます
白い三つの楕円形
あるはずのものがなくなった時
haruは
まず、しばらく立ち尽くし
次に、狂ったように飛び回る
受け入れられない事実
うちのめされ
戸惑いと怒りをあらわに
人のような気取りはまったくない
すぐに激しい怒り
卵を取り上げたポン君の手を
何度も何度も突いて鳴く
孵るはずのない卵とは知らない
精一杯
自らが苦しんで
産み出した形
もう十日も温めてきた
きっと明日には命が孵ると信じていたかもしれない
信じていたものを失う痛み
白い楕円形に込められていた想い
茫然としたharuの後姿
荒れ狂った飛び回り
一点を見つめる丸く黒い眼
あどけなく、いつも穏やかだったharu
いつの間にか、すっかり守る側になっていて
たくましさをみなぎらせ
だからこそ余計に
悲哀を浮き出たせる
孵るはずのない卵
なんとか落ち着いたharuは今
あったはずの卵の上で
満足そうに身体を埋めて空を仰いでいます
抱卵,孵らない卵