
いつも後になって
やっとわかる
怒ってばかり
「何を興奮してるの?」
見開いた目の、あまりに無垢な訳
「どうして言うこと聞かないの?」
言葉が通じないから
鳥だから
そんな理由は超えているつもりで
まるで一方的で
正も悪も見極めているつもりで
やっと知る
「チョーチャン、ハルー!」
何度もvaloが繰り返したフレーズ
相手をしてほしいための
ポン君の真似
似ていると笑っていた
笑うとvaloも喜んでいると思っていた
今
一階で無言のvalo
きっと、もう二度と
cho-ちゃんとharuの名は呼ばない
いつしか覚えた
外を飛び回る鳥たちの鳴き声
機械音の雄叫びは
抑えきれない悲しみの大きさ
幼いvaloが見たのは、今は亡きオカメのプーちゃんだけ
他に誰も居ない
黒だけが詰まった瞳
形はあれど、羽ばたかない翼
拙い歩き
誰よりも可愛がられて
いつも誰かが傍にいた・・・
「チョーチャン、ハル―」
悔しさも憧れも
情けなさも羨みも
憤りも不甲斐なさも
もうどうにも処理しようになくて
ただ名前を呼ばれるだけのことが
羨ましくて、羨ましくて
とうとう呪文のように憶えてしまった
valoの目は訴える
卑屈かと思えば、高圧的
撫でてほしくて、頭を下げても
屈服ではない
悲しみはすっかり染み付いてしまって
笑顔もすっかり忘れてしまって
日に日に大人になる彼女
もう二度
安らいだ顔を見せることはない